
GlassPosi
A glossary of glass — kiln-forming, fusing, slumping, casting and the words around them. Written by Rei Chikaoka (STUDIO POSI) and open to everyone. Each entry opens in English; the Japanese original is one click away.
281 entries · 日本語で見る
三徳工業製COE90板ガラス。日本で入手しやすい芸術用ガラスで、坩堝溶融や武蔵野美術大学等で使用される。
焼成プログラムを初期加熱〜室温まで8段階で記述する構成。プログラム設計の共通言語。/補足:初期加熱/均熱/急速加熱/最高温度/急冷/徐冷保持/徐冷/冷却
ガラスを削る道具。番手で粗さが変わり、使うほど摩耗する消耗品。
焼成プログラムで炉の自然冷却速度に任せること。歪域(歪点以下)以下で使う。窯を開けて速冷する「クラッシュ冷却」とは異なる。
サギング型の裏面に設ける幅2mm程度の溝。型とガラスの間の空気を逃がし、ガラスが型穴に均一に落ちるように設計する型の構造要素。
結晶のような規則的配列を持たない構造。ガラスが透明で明確な融点を持たない理由。/補足:アモルファスとも呼ぶ
焼成プログラム第7段階。徐冷点から歪点まで規定速度でゆっくり冷やす段階。速すぎると残留応力が固定され、偏光板測定で検出されるretardationが高くなる。
徐冷不足で後日割れる、残留応力による割れ。
徐冷点で保つ時間。作品が大きい・厚いほど延ばす。
焼成プログラム第6段階・最重要段階。徐冷点(COE90で482℃)でキープし、ガラスの内部応力を除去する。保持時間は厚みの2乗に比例。
徐冷点付近で保持し、ゆっくり冷やして内部のひずみを取り除く工程。割れ予防の要。/補足:厚みの2乗に比例して時間が必要
内部の応力(ひずみ)を取り除ける温度(log η ≈ 13)。ここで十分に時間をとると永久ひずみが実用上ゼロになる。/補足:Bullseye COE90 で 482°C、COE96 で 510°C 前後。徐冷の中心温度
約482℃付近(COE90基準)の温度帯。内部応力を最も効率よく除去できる温度域。十分な時間を確保することで永久歪をほぼゼロにできる。
銅などの結晶がきらめく金茶のガラス。過熱で輝きが失われる。
下に1枚の土台、上にパーツを置く基本構成。
柳宗悦を中心とする民藝運動の核心概念。日用品に宿る美・職人の手仕事に宿る美。近岡令の制作思想の背景にあるガラス工芸観の源流の一つ。
角を削って安全に・美しくする仕上げ。
鉛を含むガラスを硫酸塩入りの石膏で焼くと、金属鉛が析出して黒点・黒い縞が出る現象。/補足:鉛フリー石膏か焼成上限880°Cで予防
板ガラスを9枚以上重ねてセラミックファイバーボードの枠で固定し、800〜850°Cで熔着して塊状にする技法。
800〜850℃の温度帯。厚物ガラスの一体化や型押し成形に使う高温域。ブロックフュージング(800〜850°C)やプレスフュージング(800°C)が行われる。
高温で安定する離型スプレー。金属型・銀箔に跡を残さず使える。/補足:BNと略す
B₂O₃を主要成分とし熱膨張係数が低いガラス(COE33相当)。軟化温度が高くキルンワークには不向き。Pyrex・デュランなど理化学器具・耐熱食器に使われる。
木枠に耐火石膏を流し込んで型を直接成形するキャスト手法。Bullseye標準のキャスト入門技法。ピーク815〜840°C。シンプルな立体形から入れる。
スコアに力を加えてヒビを走らせ、ガラスを分割すること。
スコアに沿って割るペンチ。引っぱらず、おせんべいを割るようにゆっくり割る。/補足:刃先の向きで使い分け
ガラス内部や層間に残る泡。レイアウトとbubble squeezeで減らす。
660〜680℃の温度帯。ガラス間の気泡を粘弾性で押し出す中間工程の保持帯。失透(devitrite析出)リスクが高く、Bullseye推奨は30分以内の保持。
米国Bullseye Glass社製のCOE90アート用ガラス。キルンワーク全般に最も広く使われ、豊富な技術資料と色品揃えが特徴。
Bullseye COE90の薄板シリーズ。2mm前後の薄さで繊細な表現に向く大型平板。標準Bullseye板ガラスと同一COE90組成でフュージング・スランプに利用可能。
黄〜赤の鮮やかな着色(CdS/CdSe)。微結晶が発色を担う。/補足:取扱い注意
窯ごとの温度むらを調べる作業。3cm角2枚重ねを棚板の四隅と中央に置いて焼き、熔け方を見る。/補足:窯が変わったら必ず行う
上に透明ガラスを重ね、気泡や模様を閉じ込めるレイアウト。
アルミナ-シリカ系の耐熱繊維。ボード・シート・ペーパーがあり、サギング型や枠材に使う。/補足:軽く加工しやすい消耗品。粉塵は要防護
緑系の色の代表的な着色金属。
青の代表的な着色金属。配合で紫にもなる。
温度で長さがどれだけ伸び縮みするか。値が近いガラス同士でないと熔かし合わせると割れる。/補足:COE90・96・104 などで系統が分かれる。混ぜる前に必ず確認
焼成後に研磨・切断・接着など、熱を使わず仕上げる工程の総称。
透明色を重ねて深みや混色を作る手法。重ねた色同士が反応することもある。
色の組合せ・反応・重なりを試し焼きした見本。配色設計の基礎資料。
色を与える金属酸化物。微量で大きく発色する。
着色=金属が酸化金属になること、変色=金属イオンが硫化すること。狙いと事故の境目。
2種のガラスを熔着し偏光板で歪を見て相性を確認する試験。
上下ともカットして重ねる構成。継ぎ目は必ずずらす。
装飾や反応に使う薄い銅。硫黄/セレン系と反応する。
銅コロイドによる赤。還元状態で現れる。
青〜緑系。硫黄/セレン系・リアクティブ・銀と反応する。
組成むらで生じる筋状の歪み。再熔解や混色で出やすい。
熱膨張係数が非常に小さい耐火材料(Mg₂Al₄Si₅O₁₈)。繰り返し加熱・急冷に強く、キルンの棚板・支柱・大型スランプ型素材として優秀。
焼成プログラム第5段階。最高温度から徐冷点(例:482℃)まで急速に温度を下げる段階。失透域(600〜750℃)を素早く通過させることで失透を防止する。
自分の重みでゆっくり流れる変形。スランプ・サギングの本体。
ガラス中に結晶が成長する現象。進むと透明性・光沢・強度が落ちる(失透)。
再利用・リサイクル用のガラス屑・破片の総称。キャスト・パート・ド・ヴェールの原料として使う。COEを揃える必要があり、異種混入は割れの原因になる。
フリーハンドや型紙に沿って曲線にスコアを入れて割る。
カッターを垂直に保ち、手前に少し傾けて引く基本姿勢。
熔けたガラスの広がりを止める枠(ファイバーボード等)。厚物の形を保つ。
表面や層間に施す装飾。粉・フリット・箔・ストリンガー等で表情を作る。
ガラスの重さの目安。ソーダ石灰系で約2.5、鉛クリスタルで約3.6。/補足:重いほど熱が伝わりにくい
失透結晶の起点。表面の傷・油脂・ほこりが核になる。
高温域に長く留まったガラスの表面や内部に結晶が育ち、曇り・しわ・白濁が出る現象。/補足:600〜750°Cを素早く通過するのが予防の基本
ソーダ石灰ガラスに最も典型的に出る失透の結晶(針状・板状)。/補足:700〜900°Cで析出
ガラスを削る基本の道具(SDF等)。番手で粗さが変わる。
ダイクロイックガラスで虹彩の輝きを加える加飾。
金属酸化物を蒸着した、見る角度で色が変わるガラス。加飾の華やかなアクセントに。/補足:イリデッセント(虹彩)と並ぶ加飾素材
2本のガラス用ペンチで細いガラスをさらに細く割る方法。
凸型に大きな板を被せ、ひだ(ドレープ)を作る成形(600〜680°C)。/補足:傘状の襞ができる
ダイヤモンドビットで水をかけながら穴を開ける加工。/補足:空研ぎ厳禁
穴あき型からガラスを垂らし落として深い器を作る成形。
リング状の型を通してガラスを落とし、花器などを作る成形。
粉体作業の必需品。N95以上を使う。
ガラス粉・耐火石膏粉・セラミックファイバー粉を扱う際の安全管理。N95以上の防塵マスク・保護眼鏡・手袋が必須。結晶質シリカはIARC Group 1発がん物質。
ガラスの縁(コバ)を削り・磨いて整えること。
形状や棚板との接触を考えた「熱的な厚み」。徐冷時間はこの実効厚みで決める。/補足:立体や円盤は単純な板厚と異なる
イタリア・ムラーノ島産のCOE104ガラス。炎加工(ランプワーク)に広く使われ、高Na₂O/K₂O含有で粘度曲線が低温側にシフトしている。
ガラスを加熱・徐冷する炉。コントローラで温度を自動制御する。
作品を入れずに炉だけを焼くこと。慣らし・温度確認・冷却速度の実測に使う。
研磨剤と組み合わせて艶を出すパッド。最終仕上げに使う。
厚手のセラミック繊維板。サギング型や枠材に加工して使う。
薄いセラミック繊維シート。離型・断熱・成形補助に使う消耗品。
各焼成を「サンプル数1の実験」として記録する制作ノート。素材・寸法・プログラム・結果を残すことで理論検証・失敗解析・再現性確保が可能になる。
焼成プログラム第8段階・最終段階。歪点以下から室温まで比較的自由に冷やせる段階。ただし熱衝撃による割れには引き続き注意が必要。
低めの温度で表面だけを軽く熔かし、つやを出す仕上げ(630〜730°C)。/補足:研磨跡をなめらかにする
初期加熱(A)から室温まで冷却(H)までのフュージング標準焼成プログラムの8段階構成。近岡令が2012年頃から制作実践の中で用いている整理法。
建材用の板ガラス。徐冷点530〜550°Cでフュージング用と系統が異なる。/補足:熔け方が違うので混用不可
810〜870℃の温度帯。ガラスが流体として型に流れ込む温度帯。ロストワックスキャスト・ボックスキャスト等が行われ、型の細部への流入が可能になる。
紫外線で光るガラス。歴史的にはウラン添加(ウランガラス)が知られる。
金箔・銀箔・銅箔を層間に挟む加飾。銀・銅は反応・発色も生む。
熔けたガラスを曲げ・垂れで立体に変える焼成の総称。スランプ・サギング等。/補足:熔着焼成と対の分類
焼成を「割らない・歪を残さない・汚さない・美しく」の4段階で捉える設計の枠組み。近岡令の著書(2012/2021)が原典。
砕いた粒状のガラス。粒度(番手)で熔け方が変わる。板から自作もできる。/補足:パート・ド・ヴェールや加飾に
粒状のフリットで質感・点描の表情を作る加飾。
完全に熔け合い、表面が均一になめらかになる融合(COE90で約780°C)。/補足:角は完全に消える
約780℃(COE90)の温度帯。ガラスが完全に平坦に一体化する温度帯。表面が均一化し、積層パーツが完全に融合してひとつの板になる。
板ガラスを電気炉で加熱し、熔かして一体化させる技法。最高温度を変えるだけで表情が連続的に変わる。/補足:本講座の主力。すべての技法の基準系
板ガラスを熔かして一体化させる焼成の総称。最高温度でフル/タック等に分かれる。/補足:成形焼成と対の分類
レイアウトを仮固定する糊。焼成で焼け飛ぶ。つけ過ぎると泡・曇りの原因。
ノリタケ社製の市販耐火石膏。元は金属流用の石膏だが、キルンキャスト用として広く日本国内で使われる。入手性が高く、運用ノウハウが蓄積している。
ニュージーランド製鉛含有キャストガラス(COE92相当)。粘度曲線が他系より低温側にシフトし、複雑な型への流入が容易。キャストに特化した透明度が高いガラス。
異なるブランド・組成のガラスを混用する際の実用条件。COE一致+粘度温度曲線一致が必要。偏光板テストで検証することが必須。
スコアを入れる道具。先端のホイールでガラス表面に傷をつける。/補足:オイル式が一般的
フリットよりさらに細かいガラス粉(08番手など)。色のグラデーションや面の加飾に使う。/補足:粒が細かいほど早く焼結する
液体的な挙動から固体的な挙動に変わる温度域(Tg)。徐冷点付近に位置し、アニールの中心となる。ガラスが「固体」に見えながら液体状態を保つ転換点。
Ransom & Randolph社製北米キャスト標準耐火石膏。硫酸塩含有のため鉛系ガラスと組み合わせると黒化リスクあり。910と965は混水率・硬化特性が異なる。
金コロイドによる深い赤。650°C前後の保持で発色する。/補足:高温・長時間で褐色化
焼成後に縁や面を整える工程。荒削り→中→艶出しと番手を上げる。
やすりの粗さを表す番号。数字が大きいほど細かい(#100荒→#1500細)。
焼成プログラム第2段階。炉内温度を均一にするためのキープ(保持)段階。約500℃で1時間保持(標準)。大型・厚物作品ほど長く取る。
目標温度で時間を保つこと。soak(ソーク)とほぼ同義。
目標温度を保つ時間。コントローラではHで表す。
室温〜500°Cの昇温速度。厚物・大物ほど遅くする。
焼成プログラム第1段階。室温から約500℃まで緩やかに昇温する。熱衝撃割れを防ぐため低速(COE90で100°C/h)で進む最初のフェーズ。
中番手で荒削りの傷を細かくしていく中間段階。
石膏型の湿気を段階的に抜く保持。本焼成の前段に組み込む。/補足:90/230/480°Cで段階保持
金属の酸化されやすさの序列。着色金属のふるまいの背景にある。/補足:K>Ca>Na…>Cu>Ag>Au
金属酸化物を蒸着した虹彩光沢のガラス。表面が玉虫色に輝く。
緑〜茶の着色源。還元・硫黄と組むと茶になる。
複合レイアウトで上下のガラスの継ぎ目を必ずずらして配置する設計の原則。継ぎ目が重なると焼成時に凹みや分離の原因になる。
耐火石膏の型にガラスを充填し、軟化・流入させて立体を作る技法。/補足:数日〜数週間かかることも。厚物は長い徐冷が必須
棚板の上に敷く耐火紙。ガラスが棚板に付着するのを防ぐ。焼成後に灰化・分解する使い捨て。離型剤(キルンウォッシュ)の代替・補助として使う。
棚板を浮かせたり、深いサギングで穴あき型を持ち上げる支え。
窯の中で作品を載せる板。離型剤の管理と、支柱で浮かせる配置が温度むら対策になる。/補足:熱電対の近くに置くと温度が読みやすい
電気炉(キルン)を使ったガラス造形の総称。フュージング・スランピング・キャスト・パート・ド・ヴェール・ポットメルトなどを含む。本論「温度で語るガラス」の主題。
用と美をひとつにする手仕事の総称。ガラスフュージングもその一形態。
ドイツの色ガラス専門メーカー。吹きガラス用の色棒・フリットの世界標準で、家族経営の手作り生産。
ガラスをどう配置・重ねるかの構成。仕上がりの形・模様・気泡を左右する。
鉛系ガラスを硫酸塩含有耐火石膏で焼成するとPbSや金属Pb⁰が析出し黒点・黒変する現象。鉛フリー石膏の使用または温度上限制限で予防する。
ピンク〜紫系。硫黄/セレン系と反応する。
蝋で原型を作り、耐火石膏で包んで脱蝋し、その空洞にガラスを流すキャストの一種。/補足:複雑な立体に向く
蝋(ワックス)で作った原型を耐火石膏で包んで脱蝋し、その空洞にガラスを流し込んでキャストする技法。
紫・赤紫の着色源。長時間高温で紫が強まる(ソラリゼーション)。
STUDIO POSIの中心概念。素材本来の流れを聞き取り、引き出した痕跡を作品とする視点。
艶を抑えたつや消しの仕上げ。サンドブラストや細研ぎで作る。
金・銅・銀のナノ粒子が分散して発色するしくみ。ストライカーの正体。
金・銀・銅のナノ粒子が表面プラズモン共鳴により発色する機構。ストライカーガラスの原理。再加熱の温度と時間が粒径・色を決定する。
金属が酸素と結びついた状態。ガラスの着色は金属が酸化金属になることで起こる。
柳宗悦(1889–1961)が1925年に提唱した、民衆的工芸を指す言葉。名もなき職人が日々の暮らしのためにつくる日用品の中に、実用と結びついた美(用の美)を見出す。河井寛次郎・濱田庄司らとともに民藝運動を起こし、1936年に東京・駒場の日本民藝館を設立した。高価な美術品ではなく、無心でつくられた雑器にこそ健やかな美が宿るとした。近岡令の制作観の源流のひとつ。
小さなガラス片を割り取る工具。モザイク・細片づくりに使う。
表面に針状のしわ・筋が出る失透の一種。
光源で赤紫〜青に見え方が変わる着色金属。
黄〜茶系の着色金属。
結晶やコロイドの種ができる過程。失透や発色の出発点。
米国Oceanside Glass & Tile社製のCOE96ガラス系統。旧Spectrum Glassの系譜を継ぎ、フュージングとステンドグラス両方に対応する。
ホイールに油を供給しながらスコアを入れるカッター。滑らかで長持ち。
ガラスを白く濁らせる成分(蛍石・ふっ化ソーダ・りん酸カルシウム等)。オパール(不透明)ガラスを作る。
乳濁剤で不透明〜半透明にしたガラス。
半透明の乳白ガラス。光を通しつつ柔らかく濁る。
下にパーツ、上に1枚を重ねる構成。パーツを閉じ込める。
1層で並べ、重しで押さえて熔着する構成(プレスフュージング)。
複数のガラスパーツを並列に並べて焼成で接合する熔着技法の基本形。ファイバー鋳型鋳造技法の発想原点にもなった近岡令(2012)が体系化した基礎技法。
ガラスの粉やフリットを型に詰め、焼結温度で緻密化させて作る技法。半透明の独特の質感が出る。/補足:フュージングとキャストの中間(750〜850°C)
焼成プログラム第4段階。目標温度(ピーク)で保持し、ガラスの熔着・成形を完成させる段階。保持時間と温度の組み合わせが最終形状を決定する。
スランプ量を計算する式: w(t)≈ρgL⁴t/(32ηh²)。スパンの4乗・板厚の2乗に反比例する強い依存性があり、スランプ設計の基本式。
ガラスの枚数によって焼成後の形状変化の挙動が異なる現象。1枚は縮み、2枚は保形、3枚以上は自重で扁平化する。
ガラスの可能性を引き出して遊び、その探究の痕跡を作品とする姿勢。
粘度の旧単位。1 Pa·s = 10 poise。文献では log(poise) 表記が多い。
fusing-notebook推奨のretardation合格基準。≤20 nm/cm(優)、20〜50(可)、50〜100(要注意)、>100(不可/再アニール推奨)。
2枚の偏光板でガラスを挟んで光を透過させ、残留応力(retardation)を干渉色として可視化する検査法。
細かい番手やフェルトで光沢を出す仕上げ段階。
底に穴をあけた耐火ポットに色ガラスを積み、流下させて棚板の上で混色・自由形状の板を得る技法。/補足:流体の自己形成にゆだねる。流体力学が見える
810〜820℃の温度帯。坩堝(ポット)の底の穴からガラスが流れ落ちる温度帯。Hagen-Poiseuille則により孔径の4乗で流量が決まる。
ガラス粉で色面やグラデーションを作る加飾。
キャストで最高温度前にガラスと型の温度をそろえる保持。
本焼成の前に一度軽く焼いて素材を整える下焼き。
キャスト前に石膏型を低温で乾燥させる工程。水分が型内部に残ると焼成中に蒸気で型が爆裂する危険がある。90℃・230℃・480℃の三段階で実施する。
並列レイアウトしたガラスの上に離型紙+棚板を重しとして被せ、800°Cで収縮を抑えながら1層厚で熔着する技法。
失敗を機構の言葉で語り直し、予防できるものに変える態度。
焼成プログラムを自動実行する制御器。安定した温度管理の要。
コントローラに焼成プログラムを入力する操作。
コントローラに保存する焼成プログラムの登録番号(b-02等)。呼び出して使う。
573°Cで石英が瞬間的に膨張・収縮する相変化。棚板・石膏型の割れに関わる。
温度を上げ下げする区間。傾き(°C/h)でスピードを指定する。/補足:グラフでは斜めの線
目標温度に到達させるまでの時間。コントローラではTで表す。レートでなく時間で指定する炉もある。
焼成プログラム第3段階。失透危険帯(600〜750℃)を素早く通過するための急昇温。急速に最高温度まで昇温してガラスを失透から守る。
反応するガラス同士の境目に現れる発色の線。リアクティブ表現の核。
接する相手のガラスと化学反応し、境目に発色する特殊なガラス。/補足:焼成前と後で色が大きく変わる
炉内の酸素の多少でイオンの価数が変わり、同じガラスでも色が変化する反応。
還元雰囲気で金属が析出し黒ずむ現象。残炭・有機物が原因で鉛系に顕著。
キャスト・ロストワックス・Pâte de Verrなど鋳造・型成形に使う耐火性の石膏材料。組成によって耐熱性・収縮率・鉛系ガラスとの反応性が異なる。
棚板や型の表面に塗ってガラスの溶着を防ぐ素材。カオリン系(Bullseye Shelf Primer / HOTLINE等)とBN(窒化ホウ素)スプレーが代表的。3方向3回塗り・24時間乾燥が基本手順。
冷却で内部に固定されてしまったひずみ。徐冷不足で生じ、後日の自発的な割れの原因になる。/補足:偏光板で可視化できる
器の口(縁)を整える仕上げ。研磨で整える方法と、再加熱で丸める方法がある。
荒い番手で形を出す最初の研磨段階。早く削れるが傷は大きい。
研磨機の先端に付ける削り工具。番手違いを付け替える。
直線スコアに沿ってヒビを一気に走らせて割る道具。
穴あき型などを使い、ガラスが垂れ下がるほど柔らかくして成形する(730°C前後)。/補足:深鉢・酒器向き。型裏の空気抜き溝が要
砂を吹き付けて表面をすりガラス状にする加飾・仕上げ。
実測の経験と科学の文献、その両輪で語る。作家が自ら知をつくる方法。
ガラスカッターでつける一筋の傷。これを起点にヒビを走らせて割る。/補足:なぞり直さない
金網越しにガラスを落とし、細かい線状の流れを作る技法。
焼成プログラムの1区間(レート+目標温度+保持)。
棚板や型とガラスの間に挟む離型紙・離型剤の総称。
大きい棚板ほど昇温を遅くする補正(×0.5〜0.7)。
1枚焼成や粉体で起こる収縮。重ね枚数や重しで調整する。
微粉の珪砂。耐火石膏に混ぜて収縮を抑え耐熱性を上げる。/補足:粉塵注意
直径50mmのダイヤモンドやすり。番手#100〜#1500で削り・磨きを行う。/補足:STUDIO POSI製
ガラスに挟んで反応・装飾に使う薄い銀。多くのガラスと反応して発色する。
銀箔・銀線とガラスが反応し黄〜茶の発色(シルバーステイン)を生む。
平らな板を再加熱し、自重で凹型に沿わせて静かに曲げる成形(650°C前後)。/補足:皿・浅鉢向き
温度を一定に保つ区間(保持)。均熱・成形・徐冷でそれぞれ意味がちがう。/補足:グラフでは水平の線
ソーダ石灰系の一般的なガラス。歪点505・徐冷点545°C前後。
Na₂O・CaO・K₂O・SiO₂からなるキルンワーク用ガラスの主要組成系。Bullseye・Aスキ・OGTなど芸術用ガラスのほとんどがこの系に属する。
ガラスが自重で変形しはじめる温度の目安(log η ≈ 7.6)。タック融合の下限あたり。/補足:ASTM C338 で定義。ソーダ石灰系で 660〜700°C 前後
マンガンを含むガラスが紫外線や長時間の高温酸化で紫色化する現象。/補足:古いガラス窓が紫がかるのと同じ
焼成プログラムの1区切り。目標温度・昇温時間・キープ時間の3要素で指定する。
680〜710°Cで表面のみわずかに熔けさせ、切り口・角を残したままガラス同士を接合する最低温度の熔着技法。
680〜710℃の温度帯。ガラス表面がわずかに熔けてパーツ同士が接着するが、切り口・角は残ったまま形を保つ最低温度の熔着域。
熔け残りや異物の粒。失透や割れの起点になる。
定規を当ててまっすぐスコアを入れて割る。
直線スコアのガイドにする道具。カッターを沿わせて引く。
ガラスが事実上の固体になる温度(log η ≈ 14.5)。これより下では熱衝撃以外では変形しない。/補足:徐冷点より 40〜50°C 低い。ここを急いで通っても応力は緩和されない
約450℃以下の温度帯。ガラスが完全に剛体となり永久残留応力は生じない安全域。この温度域まで下がれば急冷(AFAP)が可能。
応力と複屈折を結ぶ定数(ブルースター定数)。偏光板の色から応力を換算するのに使う。/補足:ソーダ石灰 約2.5〜2.7、鉛系は小さい
加熱でコロイドを核生成・成長させ発色を引き出す工程。温度より時間が支配的。
Au・Cu・Agなどの金属コロイドを含み、加熱の温度と時間で金属ナノ粒子が析出して発色するガラス。条件で赤〜褐色〜黒へ変わる。温度より時間が支配的。
細い棒状のガラス。線の描画やレイアウトのアクセントに使う。
細い棒状ガラスで線を描く加飾。
固相域での表面欠陥に応力集中が生じる遅延破壊。焼成後数時間〜数日で自発的に割れることがある。徐冷条件が不十分な場合に起きる。
表面が砂糖をまぶしたように白くざらつく軽い失透。
鉛系ガラスを硫酸塩を含む耐火石膏で焼成する際にPbSやFeS等が析出してガラスが黒変する現象。耐火石膏の選択で予防できる。
黄〜赤を呈する系統。銅系・鉛系や銀と反応する。/補足:Bullseye 0xxx/1xxx多数
結晶にならずに固まった液体の状態。ガラスが「固い液体」と呼ばれる理由。
失透がガラス表面から核生成して広がる形式。傷・汚れ・油脂・離型紙ガスが核になりやすい。パート・ド・ヴェールで支配的な失透形式。
熔けたガラスが縁を丸め面を引き締めようとする力。1枚で縮む原因。
水を使いながら回転で削る卓上研磨機。効率よくコバを整える。
パーツの形を残したまま、表面だけ軽く熔着させる(700〜740°C前後)。立体感が残る。/補足:レイアウトの形をくっきり見せたいとき
700〜740℃の温度帯。エッジが立ったままパーツ同士が接合し、レイアウトしたガラスの形がくっきり残る熔着温度帯。タックフュージングが行われる。
そのステップで到達させたい温度。コントローラではSで表す。
温度の道筋を設計してガラスの表現を制御するという、キルンワークの中心の考え方。
焼成プログラムを「温度を時間に対してどう動かすか」の道筋として捉える考え方。すべての技法はこの軌跡の違いとして読める。/補足:本講座の中心概念。昇温・保持・冷却の組み合わせ
熱の伝わりやすさ。ガラスは低く、厚物ほど中心が遅れて温まる・冷える。
温度変化が伝わる速さ。石膏型や粉体は低く、長い保持が要る。
急な加熱・冷却で表面と中心に温度差が生まれ、その膨張差が引張応力となって割れる現象。/補足:厚いほど起きやすい。固体域でのスピード超過が主因
炉内温度を測るセンサー。ガラス自体の温度より先に動くためキープで差を埋める。
許容冷却速度は厚みの2乗に反比例する(q∝1/t²)という、フュージング作品の冷却設計における経験則。厚みが2倍になると、必要な冷却時間はおよそ4倍になる。
徐冷点→歪点→室温を段階的に下げる冷却設計。
ごく薄く色づいた透明ガラス。重ねて濃淡を作る。/補足:Bullseye 18xx/19xx系
焼成プログラムを記述するための共通語彙体系。heat-up / soak / peak / crash / anneal / cool の6要素で全技法の軌跡を統一的に表現する。
鉄・銅・マンガン等。雰囲気や温度でイオンの価数が変わり色が動く着色源。
遷移金属イオンの酸化還元状態の変化による発色・変色機構。Fe²⁺/Fe³⁺、Cu²⁺/Cu⁺などイオン価数が変わると吸収スペクトルが変わる。
光に透かして気泡・脈理・失透・色むらを確認する基本のチェック。
透明ガラス。光をよく通し、重ねると色が深まる。
離型紙バインダー等の煙・においを逃がす。焼成中は換気する。
ガラスの「やわらかさ」を表す量。温度が上がると粘度は下がり、ガラスは流れやすくなる。キルンワークの現象はほぼすべて、この粘度がどこにあるかで決まる。/補足:単位は Pa·s。慣習的に対数 log η で語られる
軟化点・徐冷点・歪点など、特定のlog η値に対応して規格定義された特徴温度の総称。焼成設計の基準点になる。
log η 値と温度帯・現象・対応技法を一覧に並べたマップ。どの温度域で何が起きるかを一望し、焼成設計の地図として使う。
温度ごとの粘度を結んだ曲線。これが読めると、あるガラスが何度で何ができるかを予測できる。/補足:組成で左右にシフトする。高ナトリウム系は低温側、ホウケイ酸は高温側
板が均一に冷えず弓なりに反る不良。棚板むら・厚み差が原因。
水をかけながら削る方法。粉塵を抑え、発熱と割れを防ぐ。ガラス研磨の基本。
ガラスがよく流れて成形できる温度(log η ≈ 4)。吹きガラスやキャストの流動域。/補足:ソーダ石灰系で 900°C 前後
凸型を包み込むように曲げる成形(630〜690°C)。外側に光沢が残る。/補足:ステンレス型+離型剤
熱膨張曲線で見かけ上ふくらみが止まる温度。徐冷点より40〜60°C高い。/補足:JOGIS 08-2003。Tsと表記
ガラスの変形しにくさ(硬さ)。鉛系は低めで熱衝撃にやや強い。
ソーダ石灰ガラスの失透で析出するCaSiO₃の高温安定結晶相。DevitRiteやα-クリストバライトと並ぶ典型的な失透相の一つ。
粘度η・温度T・時間tの三次元でキルンワーク焼成を捉え、全技法を統一的に読み解く統合的概念。著者(近岡令)が提唱。
ガラスは1枚で焼くと縮み、3枚以上で焼くと広がる。これは表面張力のはたらき。枚数を変えるだけで形を予測できる。
カッターは垂直に立てて、手前にほんの少し傾ける。基本フォームが安定したスコアを生み、割りやすくなる。
ガラスは約600°Cで曲がり始める。これより低いと動かない、高すぎると流れすぎる。成形温度の目安を体に入れておく。
シャープな構成にはオーバーラップが向く。1段目にガラスを並べ、その上にカバーガラスを被せる。境目がきれいに残る。
スコアは一度だけ。なぞり直すと刃も傷も傷めて、きれいに割れない。失敗したら、その線で割って整える。
ストリンガーは細い棒状のガラス。短くカットしてレイアウトに置けば、線を描くように細い色帯がつくれる。
道具は、最初から全部そろえなくていい。まずは「切る・並べる・焼く」の最小限から。使ってみると、自分に必要なものが見えてくる。
焼成は毎回サンプル数1の実験。一行でもノートを残しておくと、次の調整につながる。気づきは時間が経つと消えてしまう。
のり(接着剤)はつけ過ぎない。焼成中に泡や曇りの元になる。点付け程度で十分。多めに塗りたくなる気持ちを抑えて少なめに。
ガラスパウダーは、色面やぼかしを作るのに向く。ふんわり撒けばグラデーション、型紙を使えば模様も作れる。
何より先に、ガラスのこと。フュージングは熔かし合わせる技法だから、どんなガラスでも合うわけじゃない。まずはここから。
しっかり熔かして、表面までつるんと一体化させる焼成。境目が消えて、なめらかになる。最高温度は約780℃。
フルフュージングは780°C前後(COE90の場合)。表面までつるんと一体化させる温度。境目が消えて、なめらかになる。
新しい配色は、まず小さなカラーサンプルから。試し焼きで色の出方を確かめてから本番に進む。手元のサンプル帳が一番の頼り。
焼成プログラム設計の第一歩は、まず最高温度を決めること。タック(720°C)か、フルフュージ(780°C)か。技法が決まる。
ガラスは熔けると縮む・広がる・流れる。レイアウトは「焼成後の動き」を頭の中で再生してから組む。ここでだいたい決まる。
細く切ったガラスを、すき間なく並列に並べて熔着する。縞模様の素材を作る技法。次の「再構成」への入口でもある。
楽しく続けるために、場所と安全のことを先に。ガラスの破片、焼成中のにおい、パウダーの粉じん。気をつける点は、知っておけばこわくない。
同じレイアウトでは、必ず同じCOE(熱膨張係数)のガラスを使う。違うCOE同士は冷却で必ず割れる。最重要のルール。
失透(白い曇り)は表面の核から始まる。傷・油脂・ほこりが核になる。焼く前にきれいに拭くだけで、リスクは大きく減る。
焼成後、日が経って割れたら徐冷不足を疑う。残留応力=アニール不足が原因。徐冷時間を厚みに合わせて延ばす。
棚板は支柱で炉床から浮かせる。下からも熱が回り、温度むらが減る。隅に置く作品ほど、この差が効いてくる。
石膏や珪砂の粉塵は防塵マスクで防ぐ。結晶質シリカは長期吸入で発がん性。一度の作業でも気をつける。
研磨の番手は順に上げる。飛ばすと前の傷が消えず、最後まで残ってしまう。荒め→中→細目→艶、と階段を1つずつ。
新しい炉を使い始める時、空焚き(作品なし)で炉のクセと冷却速度を測る。各炉のクセが分かると、プログラム設計が変わる。
色ガラスは重ねると色が深まる。種類によっては反応して新しい色が境目に出る。重ね方を意図的に設計する。
銅入りガラス(ターコイズ等)と、リアクティブ専用品は接すると激しく反応する。境目に赤・黒・ピンクの線が出る。
フュージングの心臓は、電気炉。むずかしそうに見えるけど、覚えることは「温度をどう上げて、どう下げるか」だけ。
GlassPosi is an online community for people who work with glass — lectures, a firing-schedule generator, studio journals, and a place to talk it through.
About GlassPosi →