温度・粘度
歪点以下破壊
ひずみてんいかはかい
Sub-Strain-Point Fracture (Delayed Fracture)
固相域での表面欠陥に応力集中が生じる遅延破壊。焼成後数時間〜数日で自発的に割れることがある。徐冷条件が不十分な場合に起きる。
詳しく
歪点以下破壊(Sub-Strain-Point Fracture, 遅延破壊)は、ガラスが歪点(Bullseye系で約442°C)以下の固体状態にある場合に、表面欠陥(Griffith亀裂)と残留応力の合算により引張強度を超えて破壊に至る現象で、焼成完了後数時間〜数日後に「自発的に」割れることが特徴である。製造直後には異常がなくても時間経過で割れるため、「アニール済みのはずなのに後から割れた」という経験の多くがこれに起因する。表面のGriffith亀裂(微細な傷)が応力集中の起点となる点が熱衝撃割れとの違いである。
予防にはアニール(F段階)での徐冷点付近での十分な保持時間(厚み二乗冷却則に基づく厚み別設定)と、その後の緩やかな冷却(G段階)が重要である。徐冷条件が不十分な場合、ガラス内部に永久残留応力が残り、これがGriffith亀裂と合算して後日の自発的破壊につながる。偏光板テスト(polariscope-test)で残留応力(retardation値)を確認することで、安全な仕上がりかどうかを焼成後に検証できる。Bullseye推奨の合格基準は retardation 10 nm/cm 以下、保存品質では 5 nm/cm 以下。
関連概念
熱衝撃割れ(thermal-shock-fracture)・Griffith亀裂(griffith-crack)・厚み二乗冷却則(thickness-squared-cooling-rule)・偏光板テスト(polariscope-test)・残留応力(retardation)・歪域(strain-zone)

