素材
Gaffer Casting Crystal
がふぁーきゃすてぃんぐくりすたる
Gaffer Casting Crystal
ニュージーランド製鉛含有キャストガラス(COE92相当)。粘度曲線が他系より低温側にシフトし、複雑な型への流入が容易。キャストに特化した透明度が高いガラス。
詳しく
Gaffer Casting Crystal(ガファー・キャスティング・クリスタル)は、ニュージーランドのGaffer Glass社が製造するキャスト専用の鉛含有ガラスである。COE92相当で、鉛酸化物(PbO)を42%以上含有する鉛シリカ系(Pb-silicate)の組成を持つ。鉛の添加により粘度温度曲線が通常のソーダライム系(Bullseye COE90等)より75〜100°C低温側にシフトするため、log η 4〜5(細部流入域)が800〜850°C付近に位置し、複雑な型の細部へのガラス流入が容易になる。キャスティングクリスタルとして特化した透明度と光学的純度が特徴である。
Gaffer Casting CrystalはGaffer公式によりT⁴(ワーキングポイント、log η=4)= 902°Cと定義され、細部流入を要するロストワックスキャストや精密型キャストに最適である。ただし鉛含有ガラスであるため、硫酸塩を含む耐火石膏(多くの市販品が該当)と組み合わせると硫化黒化(Pb²⁺+SO₃²⁻→PbS)が生じリスクがある。鉛対応耐火石膏(Crystalcast等)の使用、または焼成上限を880〜900°Cに制限することが必須の対策となる。また鉛系ガラスとして廃棄・粉塵の取り扱いに安全上の注意が必要である。
物理データ
CTE(20〜300°C)92 × 10⁻⁷/°C。密度 3.6 g/cc、屈折率 nD 1.620、ヤング率 57 GPa。転移温度(Tg)430°C、歪点 390°C、軟化点(T⁷·⁶)594°C、ワーキング温度(T⁴)902°C。キャスト温度 780〜850°C。
組成は公式 MSDS で PbO ≥ 42% の鉛クリスタル。
製品の特徴
キャスト専用に設計された鉛含有ガラス。粘度曲線が他系より低温側にシフトしているため、複雑な型への流入が容易で、ロストワックスや精密キャストに向く。高い屈折率と密度により、透明度と光学的存在感に優れる。
ソーク時間は厚み(インチ)× 4時間が公式目安。3段冷却の境界は厚み帯(12-50mm/60-138mm/150-254mm)で変わる。
生産国
ニュージーランド。Gaffer Coloured Glass Ltd. が製造。アメリカに代理店あり。
関連概念
硫化黒化(sulfide-blackening)・耐火石膏(refractory-plaster)・ロストワックスキャスト(lost-wax-cast)・VFT式(vft-equation)・η-T-tフレームワーク(eta-t-t-framework)と合わせて、鉛系キャストガラスの物性と安全な運用を理解する。
出典Sources

