設計・制御
アニールソーク(F段階)
あにーるそーく
Anneal Soak (Stage F)
焼成プログラム第6段階・最重要段階。徐冷点(COE90で482℃)でキープし、ガラスの内部応力を除去する。保持時間は厚みの2乗に比例。
詳しく
アニールソーク(F段階、Anneal Soak)は、焼成プログラム8段階の第6段階で、最重要の段階と位置づけられる。Bullseye COE90の徐冷点(482°C)で一定時間保持することで、急速冷却(E段階)でガラス内に生じた温度勾配による内部応力を粘性流動によって緩和・除去する。Narayanaswamy(1971)の構造緩和モデルによれば、この保持段階での十分な時間確保が永久歪をほぼゼロにする唯一の手段である。η-T-t軌跡言語では「anneal(徐冷)」の前半に相当する。
F段階の保持時間は厚み二乗冷却則(q ∝ 1/厚み²)に基づいて計算し、Bullseye Annealing Thick Slabs Chartでは6mm板で83°C/h許容、19mmで27°C/h、50mmで4°C/hと指定される。ソーク時間は最低1時間(Bullseye COE90標準、薄板)だが、厚物(19mm以上)では数時間〜数日が必要になる場合がある。F段階が不十分だと偏光板測定で高いretardation値が検出され、長期破損リスクが高まる。近岡令(2021)は「徐冷温度482°C×1時間」を標準プログラムの固定値として採用している。
関連概念
急速冷却(E段階)(firing-stage-e)・アニールクール(G段階)(firing-stage-g)・徐冷域(アニール域)(annealing-zone)・偏光板測定(polariscope-test)・retardation(retardation)と合わせて、徐冷工程の全体設計を理解する。

